日本でここだけしかない高原鉄道、JR小海線。清里駅前のC56 149号機を修復し後世へ・・・
画像提供:塚本 和也氏・(公財)KEEP協会 ポールラッシュ記念館
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美しいC56の状態を維持・保存したい
日本でここだけしかない高原鉄道、JR小海線・・・
信州小諸と甲州小淵沢を結び、八ヶ岳の雄大な姿を望みつつ高原ののどかな景色の中を駆け抜けます。かつて鉄道好きな少年と少年の心を忘れられない大人達は C56が牽引する高原列車の旅を楽しんだり、八ヶ岳連峰をバックに雄大な八ヶ岳南麓とC56を写真に収めたりと、C56は八ヶ岳高原のアイドルでした。そんな高原鉄道のアイドルも国鉄無煙化の波で1972年小海線の通常運用から消えてしまいました。
現在小海線沿線で保存されているC56はたった5両。C56 149号機は、露天での保存と手入れ不足のため、一度は解体寸前まで荒廃しましたが、奇跡的に再整備された蒸気機関車です。
しかし、その後の定期的修復もなく10年経とうとするこの頃、再び錆が浮き塗膜が剥がれる状態になってしまったのです。急勾配の小海線で住民の足となり、リュックを背負った山男達を運び、この地域を支えるために奮闘したC56。その姿を守り続けたいとの思いで、美しいC56の状態を維持・保存するためのプロジェクトを2019年に立ち上げました。
C56の保存
現在C56は小海線沿線に小諸、中込、野辺山、清里、小淵沢と五両の静態保存がされています。 C56 149号機も運用が終わってから、当時の山梨県北巨摩郡高根町の美しの森たかね荘というキャンプ場に静態保存されていました。しかし露天での保存と手入れが行き届かず錆が進行し解体寸前まで荒廃した状態なりました。
市町村合併で北杜市となった時、清里駅前ロータリー再開発事業の一環で、現在の清里駅前の展示場が新設されました。解体寸前だったC56149号機は、奇跡的にこの場所に展示されることとなりました。2009年7月に移送・整備され、展示が始まりました。
展示による復活から10年、屋根付きの展示場とは言え風雨と強い高原の紫外線にさらされ、また寒暖の差が多く再塗装された機体も塗装がひび割れ、剥がれ、錆が目立ってきました。その姿を見て、先々の修復が再び困難になってしまうことを地域の鉄道ファン、観光振興団体が心配し、管理している北杜市と再整備について協議してきました。そして今回、北杜市からも塗装整備の協力を得ることができたのです。
2019年11/9~10の2日間で清里駅前C56メイクアッププロジェクトが無事終了致しました!
北杜市からも塗装整備の協力を得ることができたことをきっかけに、2019年11月10日鉄道ファン、C56ファンなどボランティアの方々によって最後の仕上げを行うイベントを開催いたしました。
今回の修復が終了するところで鉄道ファン、C56ファンも参加して竣工を皆で盛り上げるイベントを通して将来へと繋げていくプロジェクトです。清里駅前C56メイクアッププロジェクトはこうした単なるペイントイベントではなく、『清里駅前C56みんなでメイクアップ』のイベント2日間を通して、多くのC56ファンや住民、子供たちと共に盛り上げ、末永く小海線を大切に思い、利用し、将来の子供たちにも語り継げることを願うイベントです。
イベント当日の様子
イベント前にはJR東日本テクノロジーさんの手により、C56149号が徐々に綺麗になり『C56をみんなでメイクアップ!』で皆さんにペイントして頂く部分を残してほぼ完成の状態となりました。そして、今回のプロジェクトではC56に階段を設置し、皆さんに運転席を見てもらいたいという目的もありました。このような素敵な階段が設置されました。(清里駅前観光案内所の開館時間のみ使用可能です)当日はたくさんの方に運転席に上って頂き、車掌さん気分で写真撮影をする姿も多くみられました。
初日の記念貸切列車では約60名のご支援者の方にご参加を頂きました。清里駅を出発し、中込駅までの片道一時間の旅。紅葉シーズンということもあり、絶景を眺めながら進みます。車内では景品付きのSLクイズ、マジシャンによるバルーンアートをお楽しみ頂きました。地元の方のご参加もありましたが『初めて中込駅方面に乗りました!』という意見が多く、小海線の旅に満足されている様子でした。
中込駅に到着し、中込駅の皆様からサプライズのお出迎えがありました。そして、歩いて15分の場所にある成知公園(旧中込学校)のC56101号を見学。往復30分歩き、お腹も空きました~!そして、待ちに待ったお弁当タイム。復路で丸政さんの豪華特製駅弁を食べます。掛け紙も今回限定の特別仕様。
清里駅に無事に到着し、3時間の小海線の旅が無事終了!清里駅前広場では引き続きイベントが続きます。今回の清里駅前C56メイクアッププロジェクト企画段階から協力してくれた山梨県立大学安藤ゼミの学生さん達によるブースが並びます。子どもたちに喜んでもらえるようなブース造りを考えて頂き、中には2日間丸々滞在されているご家族をいらっしゃいました。
そのほか、駅前広場には鉄道ショップ『カラマツトレイン』、美味しいブース『ロック』、『らずべりーカフェ』、地元のお野菜を積んだ『軽トラマルシェ』が出店してイベントを盛り上げて下さいました。
初日のライブ、MCで盛り上げて頂いたマリンバ演奏者の大森たつしさんです。マリンバの腕前はもちろん、MCでも会場を盛り上げて下さいました!小海線C56が『高原のポニー』の愛称で親しまれていたということもあり、2日間ポニーの引き馬を行いました。珍しいC56とポニーの2ショット!
楽しい1日の締めくくりは夜の部、LEI THREEによるプロジェクションマッピング。普段は動かないSLが、プロジェクションマッピングの光で動き出し、子どもたちへ夢を届けます。MCのカウントダウンにより、ライトダウン!歓声とともにプロジェクションマッピングが始まりました。途中、トラブルもありましたが・・・(汗)、夢のような2時間半が無事に終了致しました。
2日目は清里駅前C56メイクアッププロジェクトのメインイベント『C56をみんなでメイクアップ!』が行われました。北杜市長をはじめ、来賓の皆様をお招きしての式典。クラウドファンディングでご支援を頂いた皆様、地元の子どもたちを招待しC56をペイント致しました。子どもたちは真っ黒になりながら一生懸命ペイントしていました。そして、最後のペイントは小海線営業所の小林所長のペイントで締めて頂きました!白い制服が本当に素敵です!
皆様のご協力により、無事にペイントも終了。そして、2日目のライブを盛り上げてくれたのがJAZZ系バンド『アキバコ』。ライブでも盛り上げ、トークでさらに盛り上げて頂きました。清里の歴史をガイドがご案内する『ヒストリーサインのガイドツアー』も2日間とも開催し、沢山の方にご参加頂きました。そしてイベントの最後は皆さんとじゃんけん大会!
イベントの様子を動画でご覧いただけます。
皆様のご支援、ご協力によりこのような素晴らしい2日間となり清里駅前C56メイクアッププロジェクト実行委員会一同、心より感謝申し上げます。お蔭様で、『日本唯一の高原鉄道、小海線。清里駅前C56を修復し後世へ』というキャッチフレーズにふさわしいイベントとなりました。都合によりご来場頂けない皆様には美しくなったC56149号を是非ご覧頂きたいと思っています。
クラウドファンディングから始まった今回のプロジェクト。皆様のご支援、ご協力によりクラウドファンディングが達成でき、この2日間のイベントを開催できたことを心より感謝申し上げます。
本日はクラウドファンディングにご支援を頂いた皆様、地元の子ども達に参加を頂き、C56が綺麗にメイクアップされました!
渡辺北杜市長と子ども達によるペイントから始まり、最後を小海線営業所の小林所長のペイントで締めて頂きました!
山梨県立大学生によるブースやライブもお楽しみ頂けたのではないかと思います!
この2日間本当に沢山の皆様にお越し頂きまして、本当に有り難うございました!
支援総額はこちらからご覧いだけます。
クラウドファンディングによるご支援いただきました企業様。誠にありがとうございました。
- サンメドウズ清里株式会社 様
- 株式会社 清里の森管理公社 様
- 株式会社 環境保全研究所 様
- 公益財団法人キープ協会 清泉寮 様
- 萌木の村 株式会社 様
- 株式会社 清里丘の公園 様
- 金精軒製菓 株式会社 様清里高原ホテル 様
- 伊予ロッヂ 様
- 株式会社 丸政 様
- 八ヶ岳 グレイスホテル 様
- 株式会社清里給油所 様
- 高見 卓也 様
- LEI THREE 様
- 株式会社 アルプス 様
[主催] 清里駅前C56メイクアッププロジェクト実行委員会
事務局・お問い合わせ:山梨県北杜市高根町清里3545 清里駅前観光総合案内所「あおぞら」2F NPO法人 清里観光振興会 TEL. 0551-20-8000
[共催] (一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメント、NPO法人清里観光振興会
[後援] 北杜市、北杜市教育委員会、北杜市観光協会、東日本旅客鉄道(株)長野支社小海線営業所、他
[協賛] 山梨県立大学、他
[協力] 小海線C56を愛する会、八ヶ岳ネットワーク、八ヶ岳ミュージアム協議会、他